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賃上げ税制(中小企業版)|毛利会計事務所

2022年2月13日

兵庫県の姫路市で2代目として税理士をやってます毛利です。

今日は岸田政権肝いりの『賃上げ税制』のお話をしたいと思います。

結論とすれば、これきっかけで賃上げしよう!とはなりにくいと思いますが税金メリットは拡大されるので、
うまく使いましょう!

↓動画版はこちら↓

今のタイミングで税制改正が行われるので、今からの申告で変わると思いきや結構先の話です。

なので、段階的にどう変わるかを説明します。

※賃上げ税制がどういうものかをざっくり説明すると、前期より給料(役員・親族に対するものを除く)を
増やすと、増やした分のいくらかを、税金から控除しますという制度です。

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■~R3年3月開始の法人の事業年度(個人はR3)
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①全員の給与総額が前期より増加している
②継続雇用者の給与総額が前期より1.5%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%」の税金が減額

(上乗せ適用)
②継続雇用者の給与総額が前期より2.5%増加している
③教育訓練費が前期より10%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%+10%」の税金が減額

※継続雇用者…前期と当期の24か月在籍している者

 

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■R3年4月~R4年3月開始の法人の事業年度(個人はR4)
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①全員の給与総額が前期より1.5%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%」の税金が減額

(上乗せ適用)
②全員の給与総額が前期より2.5%増加している
③教育訓練費が前期より10%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%+10%」の税金が減額

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【選択適用】新人のみの賃上げ税制(人材確保等促進税制)
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①新規雇用者の給与総額が前期より2%増加している

→ 新規雇用者の給与総額増加額×「15%」の税金が減額

(上乗せ適用)
②教育訓練費が前期より20%増加している

→ 新規雇用者の給与総額増加額×「15%+5%」の税金が減額

※新規雇用者…勤務開始から1年を経過していない者

 

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■R4年4月~R5年3月開始の法人の事業年度(個人はR5)
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①全員の給与総額が前期より1.5%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%」の税金が減額

(上乗せ適用)
①全員の給与総額が前期より2.5%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%+15%」の税金が減額

②教育訓練費が前期より10%増加している

→ 全員の給与総額増加額×「15%+10%」の税金が減額

⇒ 両方満たせば「15%+15%+10%」の『40%』控除!!

 

ただ、これらの制度を使って、税金をゼロにもっていけるかというと、そうではなくて、
あくまでも所得税・法人税の20%が限度になっています。

以上、時系列に沿ってみてきましたが、過去の分は結果的に要件を満たしていることも十分考えられるので、
要件に当てはめて見て下さい。

これからの分は、この税制を使うにはどうしたらいいのかを戦略的に考えるといいと思います。
特に、教育訓練費を増やすことで、控除の率を上げることが出来るので、おススメです。

 

以上!

2代目税理士 毛利進士