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節税のウソ(結果一緒やで!編)

2021年3月01日

兵庫県姫路市で2代目として税理士をやってます毛利です。

今回は節税のウソ(結果一緒やで!編)のお話です。

結論は、タイトルの通り「長い目で見たら結果一緒やで!」です。

 

↓動画版はこちら↓

 

具体的な話に入る前に、紹介したいことわざがあります。
『朝三暮四』ってことわざご存じでしょうか?

中国のことわざなんですけど、飼ってる猿に朝3つ、夜4つ餌をやっていたら
少ないと怒ったので、朝4つ、夜3つにしたら大変喜んだというのが由来です。

つまり、目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないことを指します。
まさに今回の話を象徴する言葉です。

世間で節税と呼ばれるものの中には、この類のものが多いです。
つまり、今の税金は下がるけど、将来の税金は上がるという性格のものです。
これを「課税の繰り延べ」といいます。

 

代表格を見ていきます。

 

①1年分家賃前払い

毎月発生するような経費を1年間分前払いしたら、その時に経費で落としていいっていう特例があります。
つまり、その期だけ2年間の家賃を経費にできることになります。
ですけど、経費を先食いしただけで将来の経費が減るため、その時の税金は上がるというということになります。
まさに「課税の繰り延べ」です。

 

②消耗品の先買い

決算が近づいて、利益出そうやから必要なもんこーとけ!っていうやつです。
もうお分かりの通り、来期の経費が減るのでいま税金減っても、来期の税金は上がります。

 

③経営セーフティー共済

これは課税の繰り延べの王道です。
国がやってる制度で損害保険みたいなものなんですけど、一定期間かけたら解約したとき全額返ってきます。
払った時は全額経費になるんですが、返ってきたときに全額利益になるっていう
一番分かりやすいやつですね。

 

④生命保険(法人)

今はだいぶ使いにくくなりましたけど、ちょっと前まで流行ってた手法です。
仕組みは③と一緒ですが、違うところは100%返ってこないところ。
商品によりますけど、例えば90%返ってくるものであれば、
10%部分で掛捨て保険を買ってるイメージです。
なので、90%部分は払った時経費、返ってきたとき利益の③の仕組みと一緒です。

ざっと代表的な所をご紹介しましたが、他にもこの類のものはたくさんあります。

世間では節税と呼ばれていますが、節税になってるのは最初だけで、
長い目で見たら節税になってないことが分かっていただけたかと思います。

ただ、これを否定しているわけではなくて、目先の税金を下げたい気持ちは
すごくよく分かるので、やるなら分かってやりましょうねというお話でした。

 

2代目税理士 毛利進士