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節税のウソ(社長!4年落ちベンツ買いましょ!編)

2021年3月08日

兵庫県姫路市で2代目として税理士をやってます毛利です。

 

今日は、世間で節税と呼ばれるものの中で、間違ったらただの無駄遣いなるものをご紹介します。

 

↓動画版はこちら↓

 

結論は「財布に余裕が出たなら、使い方を限定せずに、やりたいことに使え」です。

 

①4年落ちのベンツ
②決算賞与

 

4年落ちのベンツが節税になるっていう話は、聞いたことある方も多いのではないでしょうか?

仕組みを説明すると、新車なら6年かけて経費として落ちるところ、4年落ちの中古車の場合、

法人であれば最短1年で全額経費に出来ます。

これは、前回の結果一緒やで!編でお話した通り、単なる課税の繰延べなので、根本的に節税にはなりません。

 

今日お話したいのはここではなく、ベンツの部分です。

要約すると、「税金を抑えるためにはベンツを買え」という話で、これはそもそも動機がおかしいです。

 

どうおかしいかというと、例えば法人で500万円のベンツを買ったとします。

法人税率を30%とするなら、タイミングの差はあれ500万円が経費となるので、トータル150万円の法人税が減ります。

見方を変えると、実質負担金は350万円なので、3割引でベンツを買ったのと同じと言えます。

 

つまり、節税のためにベンツを買えというのは、割引のためにベンツを買えと言っているのと一緒で、安いからベンツ買っときと言ってるのと一緒です。

これは、節税ではなく、お得情報のジャンルです。

税理士もここを履き違えると、利益が出ているからといって、車に興味のない経営者に車を推めるというトンチンカンなことが起こります。

 

 

続いて決算賞与。

決算賞与に限らず、従業員に還元するものを節税と呼んでいるもの全てを含みます。

これも結局動機がおかしいです。

 

税金を下げるためにボーナスを出すというバラマキ行為をやってしまうと、瞬間風速的にモチベーションは上がるかもしれません。

が、そういうものはすぐ消えるので、残るのは来年も出たらええのになーという漠然とした期待感です。

従業員さんに還元することは素晴らしいことなので、せっかくやるなら、自分の頑張りが賞与に繋がることが見える仕組みを作らないと、ただの無駄遣遣いになりかねません。

 

この2つに共通しているのは「動機がおかしいこと」です。
結果として税金が下がるというだけで、税金を下げるために行う行為ではありません。
仮にこの2つを節税と呼ぶなら、お金を使う行為のほとんどが節税と言えてしまいます。

 

そう、逆に言うと何でもいいわけです。

 

利益が出て財布に余裕が出てきたのであれば、
車好きは車を買うもよし
従業員に還元したいなら還元するもよし
ホームページ作ってみるよもし
事務書の内装やりかえるもよし
新しいビジネスに投資するもよし
結局やりたいことに使えばいいわけです。

 

結果として、税金が下がります。

(改めて言いますが、節税ではないです。)

 

やりたいことがない場合は、税金払うのが一番賢いです。
なぜなら一番現金が残るから。

 

世間で節税と呼ばれるものを、冷静に振り分けていくと、節税ではないものばかりです。

 

じゃあ何もないのかというと、そうではなくて、次回「ホントの節税」というテーマでお話したいと思います。

 

2代目税理士 毛利進士