ニュース一覧
News
会社を2つに分ける意味
2021年6月21日
兵庫県の姫路市で2代目として税理士をやってます毛利です。
今日は、会社を2社作る意味のお話をしたいと思います。
継続的に利益が出ていると、会社を分けた方がいいとか聞きますよね。
結論とすると、節税目的で会社を2社作ることはおススメしません。
店舗で会社を分けて競わせたいとか、長男と次男でそれぞれ会社を用意したいとか、
節税以外に目的があれば、もちろんOKですが。
具体的に見ていきたいと思います。
↓動画版はこちら↓
まず、メリットとして3つ。
①軽減税率のダブル適用
これが最大のメリットです。
法人税は所得が800万円までは軽減税率が適用されます。
軽減税率の減税効果は事業税まで含めると、約80万円。
2社目を作って、所得が上手く分散できれば、
約80万円の減税効果を毎年2社分受けられることになります。
②交際費枠800万円のダブル適用
交際費は年間800万円を超えると、経費になりません。
これが2社あると、この枠が倍になります。
が、そもそも800万円使い切ってる会社さんって限られてるでしょうし、
仮に製造部門と販売部門で2社に分けたとしたら、製造部門での交際費って
あんまりないはずじゃないですか。
という、理屈上での使いにくさもあります。
③消費税の免税期間
会社設立後原則2年間は消費税を払わなくていい事業者(免税事業者)になれます。
ただ、年商5億を超える会社がもう1社作ったら、いきなり消費税がかかる制限があるし、
仮に免税になれたとしても、最大2年間と効果は限定的です。
2社目の売上が1,000万円いかなければ、ずっと免税でいられたりしますが、
そもそも所得800万円いく前提で会社作ってるのに、売上が1,000万円
いかないのは考えにくいです。
続いてデメリット3つ。
①税理士報酬もダブル適用
2社目はタダでっていう税理士さんはいないでしょうし、
もう1社作ることを勧める税理士さんの最大の旨味であるので、
税理士報酬がもう1社分かかります。
(税理士が会社を分けることを勧める理由もここにあります。)
②均等割り
赤字でもかかる税金として、均等割という地方税がありますが、
最低でも7万円はかかるので、メリットの①と真逆の話になります。
③片方赤字
メリットの①は、2社とも800万円の所得を超えたときの
メリットの最大値なので、どちらか800万円に達しなければ
効果は限定されるし、赤字のケースはメリットは無いに等しいです。
かつ、A社黒字・B社赤字の場合は、この黒字と赤字が相殺できないので、
もともと1社だったときよりも、税金がかかる羽目になります。
以上、メリット・デメリットを比較しましたが、メリットが勝つことも十分考えられます。
ですが、メリット①からデメリット①②を差し引くと、実質メリットは限定的と言え、
逆に存する可能性(デメリット③)まで考えると、あまりおススメしません。
というのが、僕の結論です。
あと、仮にやる場合でも、何の根拠もなく会社を2つに割ると、税務署につつかれる
可能性があるので、製造と販売で分けるとか、実店舗とネットで分けるとか、
大義名分は用意しましょう。
以上!
2代目税理士 毛利進士