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個人事業主必見!マイクロ法人という選択肢

2021年9月27日

兵庫県の姫路市で2代目として税理士をやってます毛利です。

今日は、マイクロ法人の有利不利のお話をしたいと思います。

結論とすれば、健康保険料がかなり下がるので、結構有利と言えます。

 

↓動画版はこちら↓

 

まず、マイクロ法人とは何かというと、社長一人しかいない小さな法人のことを指します。

節税とか社会保険料対策として使われるケースが多いです。

今回は、個人事業主の方がマイクロ法人を作って、一部の売上をそっちに移した場合のメリット・デメリットのお話です。

 

【メリット①】社会保険料の節約

このメリットがかなり大きいです。

<おおよその各種保険料負担>
□      a     b    c
健康保険  50万円  62万円   7万円
年金保険  20万円  40万円  19万円
合計    70万円  102万円  26万円

(a)姫路市・30代男性・独身・事業所得(売上ではないです)500万円の場合
(b)aに30代の奥さんがいて事業手伝いとして月10万円給料を払っている場合
(c)マイクロ法人から最低限の給料6万円をもらっている場合

個人事業主の場合は、事業所得に対して国民健康保険料がかかり、一律で国民年金がかかります。

一方、法人の場合は、法人から得られる給料のみに社会保険料がかかるため、給料を最低限に抑えた場合、最低限の保険料になります。
(社会保険=健康保険+厚生年金)

さらに、社会保険には扶養の概念があるため、奥さんを不要に入れることで、最低限の保険料で2人分を賄うことが出来ます。

現在bである個人事業主の方が、マイクロ法人を作り、月6万円の給料を貰うことで、健康保険・年金保険の負担が約1/4まで圧縮することが可能になります。

このメリットは、めちゃくちゃ大きいです。

 

【メリット②】所得税の節税

マイクロ法人のスキームの流れとしては、個人事業主の売上の一部の種類を法人へ移し、法人から給料を貰う流れになります。

事業所得だけだった個人事業主が、その一部を給与所得として受け取る格好となります。

サラリーマンは経費が引けないと思われがちですが、実は概算で経費が引かれていて、最低金額で年間55万円とそこそこあります。

つまり、一部を給与所得に形を変えるだけで、55万円の経費を手にすることが出来ます。

これで税金がどれだけ安くなるかについては、その方の所得によりますが、住民税も含めて最低でも約8万、最高で約30万円ぐらい安くなる計算になります。

 

【メリット③】消費税の節約

仮に今の個人事業のお仕事で消費税を納める課税事業者である場合、一部の売上を法人に移すことで、その売上にかかる消費税を納めなくてよくなります。

仮に年間税抜き200万円の売上を法人に移した場合、(一緒に移す経費がなかったとしたら)年間20万円の消費税が浮く計算になります。

ただ、インボイス制度が令和5年10月にスタートする関係で、この消費税メリットは取れなくなります。

逆に言うと、今からだと約2年間、このメリットは取れます。

 

続いてデメリット。

 

【デメリット①】設立コスト

個人と違って、法人は設立するのにコストがかかります。

自分でやるにしても、株式会社で約25万円ぐらい、合同が社で約10万円ぐらいかかります。

司法書士さんに頼めば、手数料として、ここに5万円前後が乗っかるものと思います。

 

【デメリット②】均等割り

これも個人と違って、法人には赤字でも発生する税金があります。

地方税の一種ですが、これを均等割りと言います。

姫路市の場合、最低で6万円、さらに兵庫県に22,000円かかります。

1万円程度の差はあっても、全国似たような負担感です。

 

【デメリット③】税理士報酬

個人の申告は自分で出来ても、法人は難易度が上がります。

一般的には税理士に頼むケースが多いと思いますが、このマイクロ法人の顧問料だと年間2,30万円ぐらいではないでしょうか。

もちろん、勉強して自分で申告というのも可能です。

 

以上がメリット・デメリットですが、社会保険のメリットがかなり大きいので、仮に税理士に頼んだところで、メリットが勝つものと思われます。

うちでは、マイクロ法人の相談も増えてきておりますので、セット価格をご用意いたします。

お気軽にご相談ください。

 

以上!

2代目税理士 毛利進士